アカリとコトノハ

何気ない日常の一コマと、ときどき器。 

コンビニエンスハート

雨に好かれたお盆が明けて、いつもの平日に戻りはじめた昨日。
蒸し風呂のようにムワッとした空気から逃げこむように駆け込んだ駅前のコンビニエンスストアは、いつにも増して混んでいました。

レジにもたくさんの人の列。


5分後の電車に乗りたかった私は、お目当てのお茶を手に「あ〜もう早くしてぇ」と焦りながら、せかせか長蛇の列の最後尾に並びました。

すると、私の後ろに並んだお婆さんが、こんな風に話しかけてきたんです。

「あら〜今日はレジ4台も全部使ってすごいわねぇ。お会計を早く済ませようとしてくれているのねぇ。うれしいわ〜!ねぇ?」

 

……ハッ。

 

レジ4台フル稼働していることも気が付かなかったし、むしろ混んでいるから当たり前だと思っていたし、それを「うれしい」「ありがたい」と感じられるとは。
なんてみずみずしい感性をお持ちなんだろう。

 

よく考えてみたら、私もたいして急ぐ理由もなかったし、お婆さんの一声で「あれ、なんでイライラしてたんだろ」ってなりました。

 

「ほんとそうですねぇ!」

 

思いついたように返答しているうちに、あっという間にレジの順番が回ってきて無事お会計を済ませることができました。

ちょうど先月、遅ればせながら村田沙耶香さんの『コンビニ人間』を読み終えたばかりだったので、コンビニエンスストアというものが妙にキラキラした美しい箱に感じた、夏の昼下がりの一コマです。

 

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