おいしくたのしい音たてて

何気ない日常の一コマと、ときどき器。 

おじぃと過ごした4週間  〜マジョリティーに飲み込まれるな〜

まだ5月だというのに、群馬の正午の屋外は夏さながらの日差しで、SPF30にするか50にするか迷って結局30を塗り込んだものの、最終的に日傘を差して出かけました。
 
今日は半年以上ぶりに会う友人とランチ。
 
高校時代の友人で、彼女は数年前東京で働いていたけれど、忙殺される都会の日々に身を壊し、実家に戻り、静養し、それから数年が経とうとしていました。
 
元気かな?
まあ、元気じゃなくてもいいけど
久々顔みたいな
 
ふと気になって、様子を伺いつつ、今朝約束をとりつけたところ、即OK。
 
更にもう一人、近所の男友達を誘って、三人で近所のイタリアンで待ち合わせしました。
 
急なお誘いでさくっと集まれるのって、うれしたのしーな☆
 
広い駐車場には日差しがジリジリ照りつけていて、やはり日傘は正解だったと、そそくさと涼しい店内へ。
 
先に到着した友達と近況報告をしながら、彼女を待ちました。
 
そうして数分後ー。
驚くほど真っ黒に日焼けして、妙に健康的な姿でさらっと彼女が登場したのです
どうしたの!?
高校生の時みたいに小麦色が艶めいて。
ここ数年の彼女特有の控えめな声や、傷がつかないようそーっと生きているような様子が…ない。
 
 
聞くと、先月彼女が友人と二人で国内の南の離島に3泊ほどの旅行に行った際、その土地の雰囲気がとても肌に合ったらしく、帰りたくなくなってしまい、友人には先に帰ってもらい、結局彼女だけ4週間も滞在し、つい数日前帰ってきたのだという。
 
先に3泊した民宿のおかみさんに『もっとこの島にいたい』と、相談したところ、ある一人暮らしのチャーミングなおじぃさんを紹介され、そのおじぃさんちに住み込みで滞在することになったそう。
 
ルールはシンプル。
 
おじぃさんと自分の、二人分の三食のごはんを作ること
洗濯をすること
以上。
 
家賃なし。
食費なし。
 
滞在4日目、そんな見知らぬおじぃさんとの、奇妙な二人生活がはじまったそうです。
 
人見知りの彼女からは想像もつかない行動力。私達はすっかりその話に引き込まれていきました。

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おじぃさんちの目の前に広がる空と海の青いこと
後ろにそびえる美しい山のこと
海で泳いでるとき、おじぃさんは遠くの方で潮干狩りをしていたこと
スーパーの魚売り場にはマグロしかないけど、みんな釣りをするからいろんな魚を食べられてどれも美味しかったこと
日本一大きい蝶々がたくさん飛んでいたこと
移動はおじぃさんに借りた原チャリで腕が真っ黒に焼けたこと
おじぃさんは牛を売って育てていて、一緒に牛を売りに行く手伝いをしたこと
携帯の電波は入るしテレビもあるけど、21時くらいに眠りについた静かな夜のこと
 
彼女からポツリポツリ語られる島の風景が本当に美しく、終始うっとりさせられました。
 
そして何より、内向的で慎重な彼女が
おじぃさんを始め
面倒見のいい宿のおかみさんや
テントで数十年暮らしている男性や
南米から移住してきたご夫婦
都会から移住して飲食店を始めた若者など
島の人々と仲良くなって、
いろんな生き方を目の当たりにして、あぁなんでもいいんだ、どんな風に生きたっていいんだって思ったと話してくれたのが印象的でした。
 
社会との軋轢みたいなものが介入できない自由で美しい南の島が教えてくれたこと。
 
あのマジョリティーに飲み込まれながら溢れ出た東京生活への違和感も、
苦しみと戦った数年の静養生活も、全てその島へ行くための架け橋だったとしたら…
彼女にとって、その4週間は、過去をやっと愛おしく想えるようになるための、そして彼女自身が本来の望む生き方を知るための必要な時間だったのかもしれませんね
 
どこかが痛んでいる時、なかなか動けないもの。
けれど、ちゃんと落ち込んで、しっかり行き詰まって、ひととおり、じっとしたら、ヒリヒリした心を抱えながらも、少しだけ行動を変えてみたら、ぐーんと引っ張られるように新しい世界に出会えたりするのものなのかもしれないですね。
たった3泊の旅行のからのミラクルのように。
 
映画のような彼女の再生物語はまだ始まったばかり。
来月も、牛を引きにおじぃのところへ行くんだと、笑ってランチは解散となりました。
 
涼しい店内を出ると相変わらずの日差し。
けれど右手に持った日傘はなんだか重く感じられ、結局折りたたんだまま、ルンルン家路についた初夏の昼下がりでした。
 
 
今日はそんな美しい海を連想させる夏らしいグラスを紹介させていただきます。

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 それでは、みなさまにも素敵な夏が訪れますよう.:*.。o○o。.*:..:*.。o○o。.*:..:*.。o○o。.*:.